ジストニア治療

ジストニアとは

自分の意思に反して筋肉が収縮や弛緩がおこり、身体の部位が震える、こわばることにより、思うように動作ができなくなるまた、悪い姿勢が持続する症候名です。
原因としては、中枢神経系(脳)の障害に起因し、全身の筋肉が異常に動いてしまう「全身性ジストニア」局所のみの筋肉が動いてします「局所性ジストニア」に大別されます。
さらに細かく分類すると特発性ジストニア、眼瞼けいれん、痙性斜頸、書痙などに分類されます。
症状は筋肉の異常収縮によるものですが筋肉の緊張を調整している大脳基底核(脳の一部)という部分の異常によっておこると考えられています。

ジストニアに対する鍼の効果

ジストニアの症状に対する鍼治療は「ジストニア診療ガイドライン2018」に記載がある通り、有効性を認められております。
当院では頸部ジストニアや書痙の症状の患者さまにおいて鍼治療で改善を認め、学会に継続して症例報告を行っております。

ジストニアの治療内容

神経学的および運動学的な評価により不随運動や症状の罹患部位を特定します。
筋や皮膚の短縮に対しては集毛鍼という小児にも使用できる安全は鍼を用いて伸張させていきます。
また、筋の過剰収縮や不随意運動に対しては症状に関係している経穴を用いて、鍼治療を行います。
我々の行っている治療は全日本鍼灸学会でもセクションが開催されるなど学術的にエビデンスのあるものとして考えられております。

ジストニアでお困りの方は是非、一度治療を受けていただければと思います。

当院のジストニアの症状分布図

当院のジストニア外来では痙性斜頸や、書痙、顔面のジスキネジアなど、様々な症状のジストニア患者様が来院されております。
こちらの図は来院患者様の症状別に分けた割合を示しております。
痙性斜頸の方が多く、次いで書痙などの上肢の症状、目や口などのお顔の症状の方が来院されております。

Q&A

ジストニアの症状は、どのようなものなのでしょう? 

ジストニアの症状には 
・首が勝手に上や下、左や右にねじれる、動く、傾く 
・体が歪む 
・まぶたが勝手に閉じようとする 
・声が出ない、出しにくい、うまくしゃべれない 
・鉛筆や箸が持てない、持ちにくい 
・字が書けない、書きにくい 
・ピアノ、ギターなど特定の楽器が弾けない、弾きにくい 
といった症状があります。

ジストニアの特徴は何でしょうか? 

ジストニアには 
動作特異性:ある特定の動作をしようとするとジストニアの症状がでることです。 
例えば、書痙で字を書く時だけ症状が出ることも典型的です。似た症状に職業性ジストニアがあります。 
感覚的トリック:特定の感覚的な刺激によって症状が軽快することがあります。 
例えば、痙性斜頸では頬に手を当てるだけで首の曲がりが一時的に改善されるなどがあります。 
オーバーフロー現象:ある動作を行う際、その動きに本来不必要な筋が不随意に収縮する現象です。 
といった症状があります。 

ジストニアはどのように判断され、診察されますか? 

平成16年に厚生労働省 精神・神経疾患研究委託費研究班による診断指針では、下記の(ア)~(エ)のすべてを満たすものを、職業性ジストニアと診断するとされています。 
 
 (ア)身体の一部にジストニアが存在する 
 (イ)一定の作業姿勢を持続する必要がある業務や、身体の一部を反復して使用する業務に従事している 
 (ウ)その作業とジストニアが生じている部位との間に位置や動作における関連性が認められ、通常病初期においては特定の業務以外の動作には支障をきたさない。 
 (エ)脳出血などのような、ジストニアを呈しうる疾患が存在しない。 
 
診断には、専門医のいる病院にて診察していただくよう、お願い致します。 

ジストニアの原因はなんでしょうか?

ジストニアは、一次性(原発性)ジストニアと二次性(続発性)ジストニアとに大別されます。 
二次性ジストニアは薬剤性によるものや、遺伝性の神経変性疾患といったジストニアを引き起こしている明らかな原因となる要素のあるものです。 
こうした明らかな誘因が同定できないものを「一次性ジストニア」と呼びます。

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